●東京都の児童養護施設
児童養護施設は63施設、自立援助ホームは18施設あり、3,340人の子どもたちが生活しています。2,000名以上の専門家が職員として子どもたちの支援に携わっています。
●小規模化・地域分散化が進んでいます
1つのユニットが8人以下で構成されている小舎制施設は約7割で、少人数の子どもが地域の一般住宅で生活するグループホームは145箇所あります。合計で約80%の子どもたちが小集団で生活しています。
●東京の児童養護施設の特徴
- 新しい取り組みを積極的に行っています。
- 小規模化・地域分散化が進んでいます。
- 東京独自の専門機能強化型児童養護施設は45施設です。
専門機能強化型児童養護施設とは
施設で生活する子どもたちに対して、より専門的な支援を提供するために、生活単位の小規模化・それに伴う職員配置、精神科医や心理職員の配置、外部機関を活用した施設運営向上の取組みをしています。 - 高卒後の進学率は37.5%です。大学などへ進学する子どもたちは年々増えています。
- 東京では約半数の子どもたちが家庭復帰によって施設を退所しています。家族再統合の取り組みが積極的に行われています。
- 各種支援機関との緊密な連携により、自立支援・家族再統合支援が効果的に行われています。
- サービス水準向上のために毎年、全施設が第三者評価を受審しています。結果はとうきょう福祉ナビゲーションで公表されています。
●職員待遇の例
保育士・指導員の初任給(参考)
4年制大学卒 197,300円~
2年制短大卒 178,100円~
- 東社協参考給与表より算出。
- 他に超過勤務手当、宿直手当、住宅手当等が加算されます。
- この金額はあくまでも一例です 地域や法人によって金額が違います。
- 定期昇給制度があります 退職金制度に加入しています。
●現場の職員が紹介します ”こんな仕事です”
養護の一環としての食
就職3年目の栄養士さん
栄養士は、日々の献立作成から食材の発注はもちろん、調理以外にも食育の一環としての栄養クイズ、中高生を対象とした調理クラブ、卒園生に向けたオリエンテーションなど、食の場面から子ども達の社会的自立を支援するための様々な取り組みを行っています。
子どもの笑顔と成長がやりがいです!
就職2年目の保育士さん
私は小3から高2までの男女13名と生活をしています。
ここでの生活は子ども同士の衝突やそれぞれの課題に悩まされることもありますが、担当している4人の職員や他の職員の力を合わせながら子どもたちと向き合っています。
日々の関わりの中で子どもの笑顔を見たり小さな成長を感じられる時が、私のやりがいとなっています。
心理職のやりがい
就職2年目の心理職さん
子どもたちの生活の場に近いところで臨床活動を行うので子どもの成長を身近に感じられ、長いスパンで見守ることができるのがやりがいだと思います。
また、児童養護施設の心理職はケアワーカーや専門職と連携して活動するので、お互いに協力し合い、支え合いながら働けています。
生活の中で成長を目指す
就職2年目の児童指導員さん
遊び、料理、掃除、学習などを通して子どもたちと多くの時間を共有します。日々の生活を共にしつつ、子どもたちの家庭復帰や社会自立に向けて支援していくことが私たちの仕事です。
大変ではありますが、やりがいがあります。
●いろいろな職員が協力しています
保育士 児童指導員
家庭支援専門相談員 里親支援専門相談員
心理療法担当職員 栄養士 調理師 事務員 看護師
などの他にも東京独自の職員配置があります
・自立支援コーディネーター
・治療指導担当職員 ・精神科医
・ジョブトレーナー(自立援助ホーム)など
●実習生 ボランティア
- 東京の児童養護施設全体で、年間約1,500人以上の福祉・保育の学生を実習生として受け入れ、未来の専門職養成に協力しています。
- たくさんのボランティアの方々が子どもたちの生活を支援してくれています。
関連リンク
文章提供:東京都社会福祉協議会児童部会 平成29年6月
写真提供:聖ヨゼフホーム 東京育成園 東京家庭学校